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「指揮者の役割」 [読書]

▼読み終わった本
*「指揮者の役割―ヨーロッパ三大オーケストラ物語」
中野雄・著、新潮選書


指揮者の役割―ヨーロッパ三大オーケストラ物語

指揮者の役割―ヨーロッパ三大オーケストラ物語

  • 作者: 中野 雄
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/09
  • メディア: 単行本


【帯紹介】
******************************
ウィーン・フィル
 ベルリン・フィル
  コンセルトヘボー管
毛色の異なる三大オーケストラを
指揮者たちはどう統率してきたのか?

******************************

【カバー(裏表紙側)紹介文】
******************************

指揮者は音を出さない。では一体、何をしているのか?
オーケストラにとって指揮者は不可欠のカリスマか、それとも単なる裸の王様か?
どんな能力と資質が必要とされるのか?
ウィーン・フィル、ベルリン・フィル、そしてアムステルダムのコンセルトヘボー管弦楽団を舞台に、
フルトヴェングラーからカラヤン、小沢を経てゲルギエフまで——
巨匠たちの仕事と人間性と秘密に迫る。
******************************

いわゆる「三大オーケストラ」を舞台にしてはいますが、「指揮者全般」について、考えさせられるところの多い本でした。

ちなみに、私自身、先日「ウン十年ぶり」に指揮したわけですが、この本を買ったのは、指揮することが決まる前で、読んだのは決まってから。
ですから、余計に考えさせられました。

本は以下のような章立てになっています。
序章  指揮者の四つの条件
第一章 指揮者なんて要らない?——ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
第二章 カラヤンという時代——ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
第三章 オーケストラが担う一国の文化——ロイヤル・コンセルトヘボー管弦楽団・アムステルダム
終章  指揮者はどんな指示を出すのか?


このほか、コンサートマスターに関する挿話などもあって、興味深い話だらけ。

3つのオーケストラに関する部分は読んでいただくとして、とても参考になったのが、書名にもある通り「指揮者の役割」についての考察。

この本によると、亡くなった岩城宏之氏の著書「指揮のおけいこ」の中に、次のような記述があるそうです。
一、指揮を習うことは出来ない。
二、指揮を教えることは出来ない。
三、指揮者には、なるヤツだけがなれる。
四、指揮者になれないヤツは、なれない。


そして、続く部分の最後にこんなくだりも。
「間違ってはいけない。素人はよく三拍子とか四拍子とかの振り方を指揮法だと思っているようだが、あれは文字で言えば『いろはの読み方』という程度の、初歩の初歩なのだ。本格的なオーケストラ指揮は、まず『譜読み』と音楽の『イメージ造り』から始まる。」

お分かりいただけるでしょうか。
浅学の身ゆえ、これを噛み砕いてお伝えする能力はないのですが、もしご興味があれば、是非この本を読んでみてください。

「指揮者論」については、このあと、しばらくいろいろ考えてみたいと思っています。


▽購入した本
*「第九 ベートーヴェン最大の交響曲の神話」
中川 右介・著、幻冬舎新書


第九   ベートーヴェン最大の交響曲の神話

第九 ベートーヴェン最大の交響曲の神話

  • 作者: 中川 右介
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2011/11/29
  • メディア: 新書



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コメント 2

ちんくろ2級

指揮者の仕事術・・・まだ読み終わってません。

指揮者論の今後の展開を楽しみにしております。
by ちんくろ2級 (2012-01-19 15:41) 

Lionbass

ちんくろ2級さま
最近いろんな「リーダー論」の本も出ているみたいですけどね…。
本を読んで勉強するのは大事ですね。
指揮者論、自分が指揮をしてしまったので、ちょっと考え方を変えなければならないかも…と思ってます。
by Lionbass (2012-01-22 13:12) 

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