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「第九 ベートーヴェン最大の交響曲の神話」 [読書]

▼読み終わった本
*「第九 ベートーヴェン最大の交響曲の神話」
中川右介・著、幻冬舎新書

第九   ベートーヴェン最大の交響曲の神話

第九 ベートーヴェン最大の交響曲の神話

  • 作者: 中川 右介
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2011/11/29
  • メディア: 新書

【帯紹介】
******************************
この曲が世界史を変えた
祝祭で、追悼式で、ヒトラー誕生祝賀で……。
人類の遺産となった名曲200年史。
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「第九(ベートーベンの交響曲第9番)が、いかに『音楽以外の意味』を持って使われてきたか」について、その歴史を紹介した本です。

中川氏の本は「モーツァルトとベートーヴェン」「世界の10大オーケストラ」など何冊も読んでますが、この本はまたまた目の着けどころが異なった面白い本でした。

日本では「第九」というと、「年末に集中して演奏される曲」「アマチュアの合唱団が毎年歌う曲」「おめでたい時に演奏される曲」というのが一般的な認識でしょうか。

しかし、この本では、東日本大震災ほぼ1ヵ月後の去年4月10日にズビン・メータ指揮、NHK交響楽団により演奏された「被災者追悼」の意味を持った第九の話から始まります。

そして、作曲に当っての契約・出版の話、作曲後の各地での演奏の記録、いろんな作曲家の第九に対する評価や接し方のエピソードなど、興味深い話が盛りだくさん。

そして、ワーグナーやマーラーと第九の関係や、ナチス・ドイツを率いたヒトラーがこの曲の演奏にどのように絡んだのか、フルトベングラーやトスカニーニ、カラヤンら『巨匠』が第九とどのように関わったのかも明かされます。

さらには、日本における第九演奏の『事始め』についても紹介されています。

ベートーベンの偉大さや、曲の素晴らしさもあるでしょうし、「人類はみな兄弟になる」などとする歌詞が政治的に意味を持ってしまうことも大きな原因だと思いますが、とにかく、音楽以外の意味=つまり政治や民族など、さまざまなものを背負ってしまったこの曲の特異な存在について、改めて考えさせられる本でした。

▽購入した本
*「チャイコフスキーがなぜか好き」
亀山郁夫・著、PHP新書

チャイコフスキーがなぜか好き

チャイコフスキーがなぜか好き

  • 作者: 亀山 郁夫
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2012/02/15
  • メディア: 新書



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コメント 2

YAP

第9は小学校の卒業式で歌いました。
そのときは交響曲の一部とは知らず。
by YAP (2012-03-01 08:12) 

Lionbass

YAPさま
そういう歌は何曲かありますよね。
あとは「モルダウ」とか…。
by Lionbass (2012-03-03 12:22) 

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