SSブログ

「バイエルの謎 日本文化になったピアノ教則本」 [読書]

▼読み終わった本
*「バイエルの謎 日本文化になったピアノ教則本」
安田寛・著、音楽之友社


バイエルの謎: 日本文化になったピアノ教則本

バイエルの謎: 日本文化になったピアノ教則本

  • 作者: 安田 寛
  • 出版社/メーカー: 音楽之友社
  • 発売日: 2012/05/16
  • メディア: 単行本

【帯紹介】
*****************************
「バイエル」は、日本のピアノ文化にもっとも影響を与えた教則本。
なぜバイエルなのか?
バイエルとはなにものか?
本当に実在したのか?
100年以上も「バイエル」を引き続けてきた
日本人と日本の音楽史にとって、画期的な発見がここにある。
******************************


これは凄い本だと思いました。
推理小説のようであり、ドキュメンタリーでもあり、日本の音楽史についてとっても貴重な話が詰まっています。

「バイエル」はいろいろなバージョン、関連本が出ているようですが、有名なのは例えばこちらの「子供のバイエル」

子供のバイエル(上)

子供のバイエル(上)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 全音楽譜出版社
  • 発売日: 1998/12/10
  • メディア: 楽譜

子供のバイエル 下巻

子供のバイエル 下巻

  • 作者: 全音楽譜出版社
  • 出版社/メーカー: 全音楽譜出版社
  • 発売日: 1998/12/10
  • メディア: 楽譜


私も幼いころ半分くらいやりましたが、引っ越しなどあって途中で挫折。
もちろん深く考えたことはありませんでした。
「分散和音が多い曲だな」という程度で、作曲者がどこの国の人かも考えたことがなかったように思います。

この本は、「日本が『西洋音楽』を受容した明治初期に、どのように『バイエル』が持ち込まれたのか?」という疑問に始まって、その家族や環境から、教育、宗教まで、普通に調べただけではなかなかたどり着かなかったであろう事実が、これでもかというほど出てきます。
(ネタバレを避けるため、内容についてはあまり触れないでおきたいと思います。)

ソフトカバーのそれなりの厚みのある本ですが、あっという間に読み終わりました。

私はピアノが弾けるようになりませんでしたが、ピアノを勉強したことある人もない人も、いわゆる『西洋音楽』に関わりのある人は、是非読んでいただきたい本だと思います。

<以下加筆>
この本によると、近年「バイエルは時代遅れ」とか「こんな教則本を使っているのは日本だけ」と主張する専門家が現れたり、「バイエルは架空の人物(別の作曲家のペンネーム)」という“説”が流れたりしたそうです。
こうした主張・説にも反論し、バイエルの『価値』を再発見させてくれると思います。
<加筆終わり>


▽購入した本
*「名曲に何を聴くか 音楽理解のための分析的アプローチ 新音楽鑑賞法」
田村和紀夫・著、音楽之友社


名曲に何を聴くか―音楽理解のための分析的アプローチ 新音楽鑑賞法

名曲に何を聴くか―音楽理解のための分析的アプローチ 新音楽鑑賞法

  • 作者: 田村 和紀夫
  • 出版社/メーカー: 音楽之友社
  • 発売日: 2004/01/20
  • メディア: 単行本


nice!(7)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 7

コメント 4

YAP

私も子供の頃はピアノを習っていたので、もちろんバイエルは弾きました。
これはなかなか興味をそそられる本ですね。
by YAP (2012-10-25 08:06) 

ゆるキャラ

自分の意思ではなく最初のドーレードーレードー♪から
スタート、下巻の後半で挫折しています(苦笑)
バイエルの本を目にするたび真面目にやっておけばと
後悔します(^^;
しかし家族や環境から、教育、宗教までという切り口は
斬新で思わず読んでみたくなりました。

by ゆるキャラ (2012-10-25 16:15) 

Lionbass

YAPさま
大人になってから「ピアノちゃんと勉強すれば良かった」と思いつづけてウン十年。
この本をいろいろと思い出しました。
by Lionbass (2012-10-28 22:24) 

Lionbass

ゆるキャラさま
私もずっと後悔しています。
ともあれ、この本は推理小説的な面白さがあります。
是非読んでみてください。
by Lionbass (2012-10-28 22:25) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。