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フライング・ブラボーにがっかり【インバル=都響のマーラー6番を聴く】 [音楽・楽器]

インバル指揮=都響のマーラー・チクルス。
先シーズンは2番「復活」3番を聴きましたが、第2シーズンはみなとみらいホールのセット券を購入。
きょうがその初日でした。


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横浜芸術アクション事業 横浜音祭り 2013
インバル=都響 【新】マーラー・ツィクルス 第II期<ツィクルスVI>
日時:2013年11月2日(土)15:00開演
会場:横浜みなとみらいホール
指揮:エリアフ・インバル
管弦楽:東京都交響楽団
曲目:マーラー 交響曲第6番「悲劇的」
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img_都響201311.jpg

【ロビーにあるおなじみのインバル・パネル】
img_インバル201311.jpg

細部に配慮の行き届いた好演だったと思います。
「熱演」とか「名演」というよりは「好演」という感じ。
今年3月の読響(読売日本交響楽団)の方が、より曲に入り込めたような気がします。

一部の金管楽器の不調がとても気になりましたが、未確認情報によると、あす(11/3)の東京芸術劇場での公演では奏者が交代するとの話。
何があったのでしょうか?

舞台裏で鳴らされるカウベル(牛の首につける「鈴」)の音がちょっと大きすぎるような気がしました。
あと、4楽章途中でハープに何かアクシデントがあったようですが、これはそんなに気になりませんでした。

それにしても、指摘せざるを得ないのは、演奏の余韻をぶちこわしにした「フラブラ」
「フラブラ」とは「フライング・ブラボー」のこと。
演奏が終わって、指揮者がタクト(指揮棒)を下ろさず、奏者が楽器を構えたままにもかかわらず、大声で「ブラボー」と叫ぶ行為のことです。
大半が年配の男性ですが、女性のフラブラも聴いたことがあります。

このマーラーの6番は、最後、金管のイ短調の和音が強奏されたあと、「dim.」(ディミニュエンド)して静かに終わるのですが、終わったあとの静寂を破るブラボーの声。
知人をはじめ、ネット上非難轟々です。

もちろん、音楽の聴き方は人それぞれです。
あまり堅苦しいことばかり言うと「クラシック離れ」につながるという指摘もあります。

「心から感動して思わず称賛の声が出た」というのなら、目くじらを立てる必要はない、と私も思います。

しかし、きょうのフラブラは、とてもそうとは思えませんでした。
そんなに感動するほどステージに集中しているなら、あんなタイミングで叫べるはずがないですし…。

明らかに、「人より先に叫んでやろう」と待ち構えている(最初からそのつもりで来場している)としか思えません。

本当にがっかりしました。

ネット上では、叫んだ客の席の番号までさらされています。
ひょっとしてセット券を持っていて次回の7番(今度の金曜日)も叫んだりするのでしょうか?
もし近くの席にいたら、詰め寄るかもしれません。(殴り合いにならなければいいのですが…。)

あと、4楽章が終わる直前、1階席で足音がすると思ったら、演奏中に会場を出ていった人がいるのだとか。
何か事情があったのでしょうが、近くの人は迷惑だったでしょう…。

きょうの演奏は、ライブ録音するとの掲示がロビーにあり、さらには係の人が客席を回って注意喚起していたんですが…。
もちろん、最近、多くのホールで行われているように、「演奏は余韻まで楽しんでください」的なアナウンスもありました。

余りにも不愉快・がっかりだったので、長くなってしまいましたが、このマーラー6番は、私にとってとても思い出の多い曲です。

大学でオーケストラに入って、最初の定期演奏会で弾いたのですが、アマチュアとしては日本初演だったそうです。
当時、マーラーの曲のスコアは輸入版しかなく、学生にとっては高価だったので、気軽には買えませんでした。
誰かに借りて写譜に挑戦したのですが、さすがに途中で挫折しましたが…。
でも途中までは、というかほぼ全曲、特にコントラバスのパートはかなり覚えてます。

コントラバスについて言えば、練習後、先輩の家に集まって、冒頭の「ラ」(A)の連打について、「弓は『ダウン、ダウン』にするべきか」とか「開放弦を使ってもいいか、それとも抑えるべきか」などと議論したことも忘れられません。

そして、4楽章に出てくるテューバのかなり長いソロ

私が中学・高校と吹奏楽部でチューバなどを吹いていたのですが、大学オケに入るにあたりコントラバスを選択し、レッスンを受けるようになりました。
ところが、大学のオケには当時、テューバが4年生1人しかおらず、定期演奏会に出られないという話になって、私に「テューバに転向しないか」との打診がありました。
かなり心惹かれたのですが、コントラバスのレッスンがかなり進んでいて、面白くなっていたので、転向はお断りしました。
なので4楽章を聴くと「このソロを吹いていたかもしれない」というウン十年前の過去が蘇るわけです。(この話、前にも書いたような気もしますが…。)

そんなこんなで、思い出の多い曲だけに、フラブラは余計に許せない気持ちになりました。

インバル=都響のマーラー・チクルスは来週7番で、来年3月に8番(千人の交響曲)と9番が予定されています。
落ち着いて聴けることを祈ります。
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コメント 6

大矢

お察しします。

ふと思ったのですが…
ライブ録音の掲示があったとのこと。
もしかしたら、だからこそのフラブラだったのかも知れません。

「ライブ録音ということは、拍手までCDに収録される。オレの声がCDになるチャンスだっ!(((o(*゚▽゚*)o)))」

自分のブラボーが演奏を台無しにするなんて、夢にも思ってないのかもしれません。
by 大矢 (2013-11-03 00:03) 

LF

フラブラにがっかり、全く同感です。
あの第4章は、緊張感が漲る素晴らしい演奏だったと思います。
フラブラに追随して拍手が起きなかったのも、他の全員がそう感じていたからでしょう。
あんな行為は賞賛でも何でもなく、ただの妨害だと思います。

退席ですが、1階右前ブロックから4楽章中に3人。最後の1人はラストの和音強奏の直前、音が沈んでいく中で視界を横切って行きました…
フラブラに比べればほんの些細なことですが、ちょっと理解できない行動ですね。

私もまた7番を聴きに行くので、今回のようなことの繰り返しは勘弁してほしいと切に願っています。
by LF (2013-11-03 00:07) 

Lionbass

大矢さま
遅くなりましたがコメントありがとうございます。
「録音に声を残そう」という動機はありそうですよね。
私も思いました…。
by Lionbass (2013-11-16 21:19) 

Lionbass

LFさま
コメントありがとうございます。
小生、3階席だったので退席については見えていませんでした。
7番ではいろいろまだましでしたが、8番と9番はどうでしょうか?
セット券で同じ席を買っているので。
そういえばすぐ近くにブラボー叫びまくってる男性がいました。
フライングではないので問題はないのですが…。
by Lionbass (2013-11-16 21:22) 

おやじい

インバル/都響のマーラー、みなとみらいホールでSym.1, 2, 3を聴きましたが、3回とも途中で携帯(たぶんメール)の着信音が...
しかも、放ったらかしたままだから、何度も何度も!
ホールの音響もイマイチだし、遠いけど別会場の公演に行くようにしました。
後、
同じプログラムで聴き比べた事はないけど、同じオケかと思うくらい、この会場での公演はできが悪く感じました。
by おやじい (2013-11-27 10:49) 

Lionbass

おやじいさま
コメントありがとうございます。
なんだか横浜のイメージが悪くなりそうですが…。
マーラーチクルス、8番と9番もみなとみらいなので、落ち着いて聴けるよう祈りたいと思います。
by Lionbass (2013-11-29 15:19) 

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