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不思議な魅力に満ちあふれていました【新国立劇場「死の都」を観る】 [音楽・楽器]

最近演奏会づいていますが、昨夜は新国立劇場にコルンゴルト歌劇「死の都」を観に行きました。

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新国立劇場 オペラ「死の都」
日時:2014年3月18日(火)午後7時開演
会場:新国立劇場オペラパレス(東京・初台)
作曲:エーリッヒ・ウォルフガング・コルンゴルト
原作:ジョルジュ・ローデンバック
脚本:パウル・ショットほか
指揮:ヤロスラフ・キズリング
演出:カスパー・ホルテン
キャスト:
   パウル=トルステン・ケール
   マリエッタ/マリー=ミーガン・ミラー
   フランク/フリッツ=アントン・ケレミチェフ
   ブリギッタ=山下牧子
   ガストン/ヴィクトリン=小原啓楼
   ユリエッテ=平井香織
   アルバート伯爵=糸賀修平
   リュシエンヌ=小野美咲
   ガストン(ダンサー)=白髭真二
管弦楽:東京交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団
児童合唱:世田谷ジュニア合唱団
(フィンランド国立歌劇場からのプロダクション・レンタル)
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img_死の都プログラム.jpg

実は新国立劇場・オペラパレスに足を踏み入れたのは初めてでした。
(これまで東京でオペラを観たのは、上野の東京文化会館や渋谷のオーチャードホールが多く…。)

コルンゴルトは、20世紀前半にウィーンとアメリカ・ハリウッドで活躍したユダヤ系作曲家。
この「死の都」は第一次大戦後の1920年の作品だそうです。

新国立劇場のサイトによる経歴は以下の通り。
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1897年、オーストリア=ハンガリー帝国領のブリュン(現チェコのブルノ)に生まれ、後にウィーンに移り住む。
幼少期より神童ぶりを発揮し人気作曲家として活躍、1920年に初演された「死の都」でヨーロッパにおける名声は決定的となる。
1930年代よりハリウッドで映画音楽に携わり、アカデミー賞を2度受賞。
1938年ナチスの迫害を逃れアメリカに亡命。
第二次世界大戦後ウィーンに戻るが、クラシック音楽の分野で再び成功することはなくアメリカに帰国。
1957年、失意のままハリウッドで60年の生涯を閉じる。
1970年代より再評価が進んでいる。
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そしてプログラムなどに掲載されたあらすじ。
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舞台は19世紀末のベルギー北西部の中世の面影を残す美しい都市ブルージュ。愛する亡き妻マリーを忘れられない主人公パウルは、妻の遺品に囲まれ悲しみの中に生きている。ある日、パウルは街でマリーに瓜二つの踊り子マリエッタに出会い、家に招待する。マリエッタに魅惑されたパウルは、次第に幻想の世界へと入り込んでいき、二人は一夜を過ごすが、パウルは亡き妻の遺髪を首に巻き付け踊り出したマリエッタを絞殺してしまう。夢から目を覚ましたパウルは、妻の死を受け入れ、街を立ち去ることを決意する。
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実は、コルンゴルトをちゃんと聴いたのは今回が初めてでした。

経歴からも分かるように、コルンゴルトはマーラーの2世代くらいあとにあたる作曲家。
時代としては「十二音技法」とか「無調音楽」に突入していてもおかしくないわけですが、作風は「ロマン派」の生き残りというべきでしょか。
この「死の都」はストラヴィンスキーの「春の祭典」よりもあとに作られたということになりますが、聴いた印象は「リヒャルト・シュトラウスとマーラーとラフマニノフとヒンデミットを足して4で割り、ワーグナーや映画音楽的なエッセンスを振りかけた」という感じでした。
(もちろんいい意味です。)

トランペットからテューバまで、金管楽器の自在な使い方が20世紀的、映画音楽的ですが、和声はあくまで「調性」があって、その中で色彩感がガラッと変わる転調の仕方は、ロマン派後期的、世紀末的なのかもしれません。

美しいところはあくまで美しく、そして幻想的な部分や、荒々しい部分もあって、まさに「劇的」な曲。
不思議な魅力に満ちていました。

それにしても、「死んだ妻を忘れられない男」パウル役のテノールと、亡き妻にそっくりの踊り子マリエッタと亡き妻マリーの2役を演じるソプラノは、3幕・正味2時間半の上演中、ほとんど出ずっぱり。
どちらも大変な難役だと思いました。
そもそも、舞台に登場する歌手は全部で10人程度なんですが…。
(ほかに合唱、児童合唱がわずかに登場)

この春は、コルンゴルトが各地で集中的に取り上げられているそうで、この「死の都」はすでに関西でも上演されていますが、このあとヴァイオリン協奏曲や交響曲の演奏会も予定されています。
興味がわいてきました。
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