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指揮者に求められるものとは?(1) [音楽・楽器]

前回「指揮者!指揮者!指揮者!」というエントリーで、指揮者の円光寺雅彦さんの「指揮者は、(1)未来を見る(2)現在を判断する(3)おさらい…の3つのことを同時に考えなければならない」という発言を紹介しました。

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円光寺 雅彦氏

ちょっとだけ補足します。
「(1)未来を見る」というのは、「その先の音楽について考える」ということ。
「その先の音楽」と一言で言いますが、テンポとかオーケストラへの指示の出し方とか、考えるべきことはそれこそ山のようにあります。

「(2)現在を判断する」とは、「今鳴っている・聞こえている音が、間違っていないか、バランスが取れているかなどを考える」ということ。
場合によっては100人を超える奏者(音楽家)が音を出しているわけで、気を配るべきところは無数にあるといってよいでしょう。

そして、「(3)おさらい」とは、「そこまでに演奏した内容について整理し、音楽を止めたあとにどのような内容をオーケストラに伝えるか考える」ということになろうかと思います。
曲が止まってから、何を言おうか考える指揮者は多いのですが、これはやめて欲しいと常々思っています。


で、ここからが本題ですが、オーケストラの指揮者に求められるものとはなんでしょうか?

私は「演奏者(オーケストラの団員)の音楽(性)を最大限に引き出すこと」だと思います。
もちろん、このことが「いい音楽を(聴き手に)届ける」という結果につながることは自明です。

これは簡単なようで、実は難しい条件・課題だと思います。

これまで長年アマチュアオーケストラで弾いてきたので、たぶん100人以上の指揮者の棒で演奏したことがあるのですが、「曲や作曲家についての知識(うんちく)」とか、「棒のテクニック(表紙の振り方など)」とか、音楽の本質に関係ないことにこだわる指揮者が多すぎると思います。

指揮者は、よく団体スポーツ(野球など)の監督や、軍隊(的)組織の指揮官、あるいは多くの人を率いてまとめる立場にある政治家などに例えられます。
野球の監督であれば、「選手の能力を最大限に引き出す」ことによって、「いい試合をする(試合に勝つ)」という結果を導くことが求めらると思います。

野球の監督は、用兵(ラインナップ決定、選手交代など)や作戦(バントや盗塁など)の権限を持っているわけですが、選手の力・個性を把握して用兵や作戦を適切に決めることにより、チーム全体の能力を引き出す責任を負っているわけです。

そうした意味で、確かに野球の監督と指揮者には共通点があると思います。

(つづく)
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コメント 2

manamana

国政とラップして考えてしまいます。
by manamana (2011-08-12 06:23) 

Lionbass

manamanaさま
そうですね。
リーダーシップを取るべき人は、人の能力を引き出すのが大事で、自分でできることも手を出してはいけない場合もあると思います。
by Lionbass (2011-08-14 20:30) 

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