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巨匠のまさかの事態にハラハラ【N響1月B定期を聴く】 [音楽・楽器]

新年2つ目の演奏会はN響B定期。
11月と12月は家族に譲ったので、3カ月ぶりのN響でした。

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NHK交響楽団第1773回定期演奏会 2014年1月Bプログラム
日時:2014年1月16日(木) 午後7時開演
会場:サントリーホール(東京・赤坂)
指揮:ファビオ・ルイージ
独奏:ルドルフ・ブフビンダー(ピアノ)
曲目:モーツァルト ピアノ協奏曲第20番 ニ短調
   ブルックナー 交響曲第9番 ニ短調(ノヴァーク版)
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【会員誌(兼プログラム)の「フィルハーモニー」】

img_フィルハーモニー201401.jpg

1曲目のモーツァルト・ピアノ協奏曲20番は、ベートーヴェンのピアノ協奏曲3番とともに、ウン十年前、初めてオーケストラの演奏会に出演した際に弾いた曲です(あまり弾けませんでしたが…)。
ソリストは、去年11月にウィーン・フィルの「弾き振り」(指揮しながら独奏する)したオーストリアの巨匠、ブフビンダー。

期待して行ったのですが、まさかの事態が…!


1楽章の途中で、ブフビンダーが『暗譜が飛んだ』(曲を忘れた or どこを弾いているか見失った)らしく、途中でしどろもどろに。
オケも「あれ?」という感じで、戸惑っていたのですが、ブフビンダーはオケに受け継ぐフレーズの最後の部分を何回か(何カ所か)弾いて、「オケで何とかしてくれ」と言いたげ…。
しかし、指揮者やオケにはどうすればいいのか分からず、オケメンバーがだんだん弾くのをやめて、ついには曲が止まってしまいました。

次の瞬間、男声の声が二言三言聞こえて演奏が再開。
まもなくカデンツァに入り、その後は3楽章まで一応無事に進んでいきました。

曲が終わった後は、ブフビンダーがピアノソロによるアンコールがありました。
実はウィーン・フィルのときにも同じ曲を聴いたのですが…。

【ロビーの掲示(終演後に撮影)】
img_サントリーアンコール201401.jpg
アンコールが終わったあと、さらに2度ほど『カーテンコール』があって、オケが舞台を降りようとしたのですが、ブフビンダーがさらにステージに登場して、オケのメンバーと行き違いそうになる場面もありました。

【2Fロビーのモニター(休憩中に撮影)】
img_サントリーモニター201401.jpg

後半はブルックナーの9番。
病を押してブルックナーが取り組んだものの、未完に終わった曲です。
重厚な響きでオケ全体熱演でした。
N響はこういう曲の方が向いているのかもしれません。

トロンボーンが舞台上段の中央にいて、「並び方が通常と違うなあ」と思ったのですが、テューバとワーグナーテューバを隣り合わせに配置するためだということが(3楽章になって)分かりました。


モーツァルトの話に戻りますが、ピアノ協奏曲の途中で演奏が止まってしまうという事態は、これまでにも目にしたことがあります。

完全に止まったのは、聴きに行った某アマチュア・オーケストラのグリーグの協奏曲。
また、自分が出演していたシューマンの協奏曲では、ピアノソロの部分でソリストが曲を見失ったものの、適当に(作曲して)弾きながら、何とか思い出して曲に復帰し、止まらずに済んだということもありました。

でも、ブフビンダーほどの「巨匠」でもあんなことになってしまうとは、とハラハラしました。
(N響定期は2日間、同じプログラムを演奏するわけですが、前日の初日はFM放送で聴いていたのですが、止まったりすることはありませんでした。)

協奏曲のソリストは、通常、楽譜を見ずに暗譜で演奏することが多いのですが、曲が止まるくらいなら楽譜を置いてもいいのではないかと思います。
楽譜を見ないことによって、より曲に集中できる、という考え方もあるでしょうが…。


ところで、ブフビンダーの演奏ですが、ウィーン・フィルのときも思ったのですが、やや独特の「節回し」のようなものを感じました。
「楷書」ではなく、少し崩れた「行書」というか…。
相手が何度も共演しているウィーン・フィルだと、その辺の「崩し方」のような部分も共有できていて、あまり「齟齬」は起きないのだと思います。

しかし、N響はどちらかというと「楷書」的なきっちりした演奏であり、その辺、呼吸が合わなかったのかもしれません。
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コメント 4

Kusakabe Youichi

あのー、『行書』は『楷書』をくずしたものではないですよ!

成立年代から言っても楷書がいちばん新しい!
by Kusakabe Youichi (2014-01-18 11:10) 

Lionbass

Kusakabe Youichi さま
ご指摘ありがとうございます。
それは知ってました。
あくまで「例え」ですのでご容赦ください。
今後ともよろしくお願いします。
by Lionbass (2014-01-18 22:07) 

みやど

成立順は諸説あります。楷書→行書→草書というのは書道のプロが書いたものには見あたらないので違うとは考えられます。親子のようなものではなく隷書から来た兄弟のようなものと考えられています。

by みやど (2014-11-05 07:06) 

ななな

こんにちは。はじめまして。水曜コンサート(N響)の放送を聞きました。正直、残念です。コントラバスとチェロに音程差と響きの広がりがあり、上手な人にピッチを合わせられるかたも、いらっしゃって、そういうのっが見え見えで、ベートーベン交響曲7番は誰でも知ってる曲なので、完成度が高いのに、ちょっとした練習不足が放送で分かってしまうのは残念です。
by ななな (2017-05-19 18:19) 

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