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「三陸海岸大津波」 [読書]

▼読み終わった本
*「三陸海岸大津波」
吉村昭・著、文春文庫

三陸海岸大津波

三陸海岸大津波

  • 作者: 吉村 昭
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2004/03/12
  • メディア: 文庫


【帯紹介】
******************************
<吉村記録文学>の傑作
明治以降、繰り返し三陸を襲った
大津波の貴重な証言・記録を発掘

******************************

吉村昭氏の昭和45年(1970年)の作品。
三陸海岸を襲った3度の津波についての証言や記録をまとめています。
(そんなに厚い本ではないので、数時間であっという間に読み終わりました。)

「3度の津波」とは、明治29年(1896年)の「明治三陸地震(津波)」、昭和8年(1933年)の「昭和三陸地震(津波)」、そして昭和35年(1960年)の「チリ地震津波」です。

詳細は是非本を読んでいただきたいのですが、例えば「明治三陸地震」の場合、前兆と見られる様々な現象があったこと、被災状況についてどのような証言が残されているかなど、「今回の東日本大震災でも同じようなことがあったのだろうか?」と思わせる記述が並んでいます。

また「昭和三陸地震」の場合、発生が3月3日の未明で、人々は地震で目が覚めたものの避難しなかったことなども書かれています。

さらに「チリ地震津波」の場合は、遠い南米沖での地震で津波がやってくるとの意識が希薄だった状況もよく分かりました。

三陸地方が、歴史上たびたび地震と津波に襲われていることは、今となっては周知のこと。
この本でも、今回よく知られるようになった貞観11年(西暦869年)の地震・津波をはじめ、18回の津波の記録を記しています。

改めてこうした記録を読むと、人間が暮らしていくことの難しさというか、日本列島の置かれた厳しい環境について考えさせられます。

この本でも、津波の体験を綴った子供たちの作文が収められていて、胸を打ちます。

あと印象に残ったのは、岩手県宮古市の田老地区(旧田老町)の「田老」という地名が、「津波太郎」という津波に対する恐れを表した『愛称』に由来すると言う話。
田老町では、津波に備え「万里の長城」とも呼ばれた防潮堤を築いていましたが、今回の津波で破壊されました。
それくらい今回の津波の威力は凄まじかったということになります。

▽購入した本
*「鉄道ひとつばなし3」
原武史・著、講談社現代新書


鉄道ひとつばなし3

鉄道ひとつばなし3

  • 作者: 原 武史
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/03/18
  • メディア: 新書



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コメント 4

manamana

大震災後、私も読みました。
子供の作文が紹介されていたのが、リアリティがあって、
悲しくなりました。
今回の津波も同じ悲劇がくり返されたのだと、
改めて犠牲者の冥福を祈る気持ちです。
by manamana (2011-05-01 07:20) 

ガンガンガン速

お邪魔いたします。
日本の歴史、常に自然災害との闘いですね。

by ガンガンガン速 (2011-05-02 10:51) 

Lionbass

manamanaさま
歴史の重さを感じました。
吉村昭氏の『愛情』が感じられるだけに、余計に心に響いたような気がします。
by Lionbass (2011-05-08 19:12) 

Lionbass

ガンガンガン速さま
コメントありがとうございます。
日本列島の住民は、これからも災害とは闘っていかなければならない宿命ですね。
by Lionbass (2011-05-08 19:14) 

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