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指揮者の仕事を野球の監督に例えると [音楽・楽器]

「指揮者のコミュニケーション能力について」というお題のエントリーをアップしましたが、私には荷が重かったので、もう少し噛み砕いて説明できないか、指揮者と野球の監督の類似性について挑戦してみたいと思います。

野球の監督は、試合中はベンチにいてサインを出したりするわけですが、それ以外にも春期キャンプ中の様子などがスポーツニュースで紹介されることがあるので、その『仕事』の一端を垣間みることができます。

しかし、指揮者がステージ以外でどんなことをしているか、テレビなどではごくたまにしか紹介されないですし、されてもクラシック音楽に興味ある人以外は見ないと思うので、なかなか知られていないのではないでしょうか。


本番のステージ上のことから考えると、指揮者は(一例としては)こんな風に手を動かしたりして、奏者(楽員)に合図します。(図は再掲)
4拍子.JPG

これは、(乱暴な例えですが)野球の監督のブロックサインのようなもの。
ブロックサインは、作戦が伝わればいいわけで、上手いか下手かはチームの強さにはあまり関係ないでしょう。
(もちろん、「試合の流れを邪魔しない出し方」はあるとは思いますが…。)
ブロックサインの巧拙で監督を評価しないように、指揮棒の振り方が上手いかどうかは、指揮者の能力には(ほとんど)関係ありません。

この点、先日読んだ「指揮者の役割」には次のように書かれています。
「間違ってはいけない。素人はよく三拍子とか四拍子とかの振り方を指揮法だと思っているようだが、あれは文字で言えば『いろはの読み方』という程度の、初歩の初歩なのだ。」


野球の監督が試合中はボールに触らないのと同じで、指揮者は自分で音は出しません。
選手/奏者に「プレー(play)」させて、「試合に勝つ」「いい演奏をする」という目的を達するために指示をしたり合図を出したりするわけです。

野球だと、エース(主戦投手)や四番打者などといった「主役級」の選手と、『脇役級』の選手がいます。
オーケストラでも、コンサートマスターや、弦楽器・管楽器のトップ(首席)、ティンパニ奏者など、「主役級」の奏者もいれば、それ以外の「脇役」的な奏者も存在します。

的確な指示を出し、主役級・脇役級含め、なるべく多くの選手/奏者に「実力」を発揮してもらうのが、監督/指揮者の任務です。

その際、試合全体/演奏会全体の方向性を示すのが最大の任務ではないでしょうか。

監督であれば、攻撃面では「細かくつなぐ野球」を目指すのか「のびのびと打たせる」のか、チームの方針をはっきりさせたうえで、指示を徹底することが求められます。

音楽だと、「細かい音符を性格に弾く」ことを求めるのか、「音程を合わせる」のか、「音楽の大きな流れ」を大事にするのかなど、指揮者の方針を示し、徹底を図ることはやはり大事だと思います。

ときには、厳しい指示を出したり、大きな身振りで合図したりすることも必要でしょう。

…と文字で書いてもなかなか伝わらないような気がしますが、お分かりいただけますでしょうか?

とにかく、集団・組織は、それを指揮・統率する人間次第で大きく変わると思いますし、それはスポーツや音楽だけでなく、会社や役所、学校などなど、多くの集団に通じるのではないかと思う次第です。
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