SSブログ

「悲愴」4楽章演奏中の地震!【N響1月A定期を聴く】 [音楽・楽器]

会員になっているNHK交響楽団定期演奏会(Aプログラム)
きのう第1720回定期公演を聴きに行きってきました。

前回のマーラー「千人の交響曲」は12月4日だったので、8週間(=ほぼ2ヵ月)ぶりということになります。

img_NHKHall20120129.jpg

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
NHK交響楽団第1720回定期演奏会
日時:2012年1月29日(日)午後3時開演
会場:NHKホール(東京・渋谷)
指揮:レナード・スラットキン
独奏:ナージャ・サレルノ・ソネンバーグ(バイオリン)
曲目:ペルト「フラトレス」(1977/1991改訂)
   バーバー バイオリン協奏曲
  <アンコール>
   ガーシュイン「ポーギーとベス」より
   チャイコフスキー 交響曲第6番 ロ短調「悲愴」
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


1曲目の「フラトレス」
もちろん初めて聞きました。
ペルトはエストニアの作曲家だそうです。

弦楽器群と打楽器1人という編成。
弦楽器が最弱音で和音を奏し始め、そこに打楽器(クラベスと大太鼓を1人で同時に鳴らす)が規則的に入ってきます。
徐々に音量が増していってホールが弦の響きで満たされると、再び音量が減衰していって静かに幕を閉じます。
コントラバスとチェロの一部の奏者が、最初から最後までドローン(持続音)のような5度の音を伸ばしています。
いわゆる『現代音楽』とは異なり、割と入り込みやすい曲でした。

2曲目のバーバーのバイオリン協奏曲
バーバーは「弦楽のためのアダージョ」があまりにも有名ですが、この協奏曲は初めて聞きました。
こちらは『いわゆる現代音楽』的な曲で、バイオリンの技巧を披露するにはいいのだと思いますが、決して「とっつきやすい」音楽ではありませんでした。

協奏曲のあとのアンコールとしてガーシュインが演奏されました。

余談ですが、女性ソリストのパンツルックというのはかなり珍しいと思いました。


そして後半はチャイコフスキー「悲愴」
最近、別のところでも読みましたが、プログラムによるとこの曲の題名は「悲愴」というより「情念」という語感が強いとのこと。
確かに4楽章を除き「悲しみ」が前面に出ているわけではないような気がします。

この日の演奏ですが、1楽章ではところどころで予想外の『間』が入っていて、「おっ」と一瞬思うところがありましたが、それ以外は割と淡々とした演奏。
2楽章、3楽章あたりもそんなに奇を衒わず、「きちんとした演奏」という感じです。

当たり前と言えば当たり前(でも「さすがにN響の聴衆」というべき?)ですが、3楽章の終わりに拍手が起きることはありませんでした。

そして4楽章。
緊張感をはらみながら進んでいるところに地震発生
グラっと2度横揺れがありました。
あとで調べたら東京(渋谷区)は震度2だったようです。

小節番号でいうと30小節あたりで、ちょうどファゴット2本だけで下降音型を吹く部分でした。
もちろん、指揮者もオーケストラもまったく動揺することなく、演奏を続けました。
ただ、私の近くの席にいた高齢の女性が、隣に座っている男性(夫?)に「地震?」と小声(でも周りに聞こえるような声)で話しかけるのが、ちょっとだけ気になりましたが…。

4楽章のコーダ(147小節~)の部分、コントラバスなどが思いのほか大きな音量で入ったのでちょっと驚きましたが、それだけに最後の消え行く感じが出ていて、終わり方もブラボーでした。

やっぱり、日本のプロのオーケストラの中では、N響の安定感は群を抜いているように思います。

来月、2月のA定期はシューベルト「グレート」などです。


ところで、さらに余談ですが、2004年、アシュケナージがN響を指揮中に指揮棒を左手に刺すという事故(?)があったのをご存じの方も多いと思います。

この事故が起きたのは、10月23日の新潟中越地震の日だったそうです。
土曜日なのでたぶん午後6時開演だったと思うのですが、地震発生はその3分前。
演奏開始も遅れたそうです。

事故は1曲目のチャイコフスキー交響曲第3番「ポーランド」の演奏中に発生。
余震に驚いたためだと聞いています。
アシュケナージはこの曲は振り終えたものの、その時点で病院に向かったため、2曲目の交響曲第4番は指揮者なしでの演奏になりました。

この指揮者なしの演奏は、N響アワーでも紹介されたことがあります。

そして、今年6月のN響定期はアシュケナージが登場しますが、A定期ではチャイコフスキーの4番を演奏予定!
ひょっとして、その指揮棒事故(!)以来8年ぶりなのでしょうか?
nice!(12)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 12

コメント 4

manamana

震度4くらいの地震だと演奏は中断してしまうのでしょうか。
大きな揺れで無くて良かったですね。
by manamana (2012-01-30 06:19) 

YAP

地震があったのですね。
富士山周辺の動きが気になります。
by YAP (2012-01-30 17:43) 

Lionbass

manamanaさま
演奏が止まるかどうかは、曲や演奏者次第ですね。
震度6とかになると中断せざるを得ないだろうと思いますが…。
by Lionbass (2012-02-02 23:08) 

Lionbass

YAPさま
富士山はいつかは噴火するんでしょうが、「自分が生きてるうちはいやだ」というのは、勝手すぎますかね…。orz
by Lionbass (2012-02-02 23:15) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。