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バボちゃんの音色に酔いしれる【N響6月A定期を聴く】 [音楽・楽器]

1週間前にオーチャード定期を聴いたばかりですが、またNHK交響楽団演奏会を聴きに行きました。

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NHK交響楽団 第1730回定期演奏会(2012年6月A定期)
日時:2012年6月10日(日)午後3時開演
場所:NHKホール
指揮:ウラディーミル・アシュケナージ
独奏:ラデク・バボラーク(ホルン)
曲目:リムスキー=コルサコフ 組曲「サルタン皇帝の物語」
   グリエール ホルン協奏曲
  <アンコール>「アルペン・ファンタジー」(ホルン独奏)
  <アンコール>「狩りの音楽」(同)
   チャイコフスキー 交響曲第4番
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初めて会員になったN響の定期演奏会も、今シーズンはこれが最後。

今回のプログラムは桂冠指揮者・アシュケナージの棒によるロシアの作曲家たちの作品です。

最初は、「ロシア五人組」の中心だったリムスキー=コルサコフの組曲「サルタン皇帝の物語」
おとぎ話を題材にしたオペラからの抜粋だそうです。

金管楽器のファンファーレが随所に出て来たりして、なかなか楽しい曲でした。
吹奏楽に編曲すると面白いかもしれません。

ちょっと気になったこと…。
組曲で3曲に分かれているのですが、曲と曲の間が短い、というかアシュケナージがあまり間を空けずに次の曲を開始。
客席の「咳払い」が終わらないうちに始まってる感じでした。
冬で風邪引いている人が多い季節ならともかく、「曲間になると咳払いする」という人が多いのは、マナーとしてはどうなんでしょう…?


そして2曲目は、ある意味今回の演奏会のハイライトであるグリエールのホルン協奏曲
独奏は、元ベルリンフィル首席のラデク・バボラークです。
バボラークはチェコ出身の、現代最高の呼び声高いホルン奏者で愛称(?)『バボちゃん』(以前、演奏会のチラシのそう書いてあったような…)。
前日(9日)の同じ演奏会を聴いた知り合いのホルン奏者たちが、皆さん絶賛していました。

グリエールは20世紀のソ連の作曲家で、この曲は1951年に作曲されたそうです。

「世界最高」の称号(!?)は伊達ではないと思いました。
とにかく、音が柔らかいのに音程が正確で、しかも素晴らしく「歌って」いる感じ。
もちろん「音を外す」ことはまったくありません。
サックスかチェロで演奏しているような感じですが、もちろんホルンならではの「力強さ」も兼ね備えています。

いやあ、とにかくいくら褒めても褒め足りない感じでした。
アンコールも2曲ありました。(9日は1曲だったみたいです。)

後半はチャイコフスキーの交響曲第4番

N響のチャイコフスキー4番というと、以前、指揮者なしで演奏したことがあって、結構有名な話なのですが、実はその時の指揮者はアシュケナージでした。

調べてみると、その演奏会は2004年10月23日の新潟中越地震の当日で、アシュケナージがN響常任指揮者就任直後。
開演直前の午後5時57分ごろに地震が発生したわけですが、演奏会中にも余震が発生。
アシュケナージはそれに驚いて自分の指揮棒で左手を刺してしまうという「名誉の負傷」をしてしまいました。
その後も指揮を続けましたが、結局病院に向かい、途中からは指揮者なしでの演奏となりました。
(この時の「指揮者なし」の演奏はN響アワーでも紹介されてました。)

というわけで、アシュケナージにとってチャイコフスキー4番は『リベンジ』だったのかもしれません。

冒頭のホルン・トランペットのファンファーレ的フレーズから、非常に気合の入った演奏。
ただ、1楽章は途中ちょっとだけ「もたついた」感あり。
1拍が3つに別れ、それが3拍で1小節という「3拍子の二乗」なわけですが、拍子感の取り方が難しい曲だと思います。
「3拍×2」を「2拍×3」にわける『ヘミオラ』が二重になって現れる部分があり、どうしても噛み合ないし、今ひとつ音楽が流れていない感じがしました。

2楽章以降、全体としてとても完成度の高い演奏で、4楽章の金管・打楽器の「爆発」はさすがという感じでした。


演奏会が終わってNHKホールを出ると、ホルンを持った若い人がたくさん歩いてました。
ホルン吹きにとって、注目が高い演奏会だったことが改めて分かりました。
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コメント 2

ちんくろ2級

なるほど、バボちゃん!
by ちんくろ2級 (2012-06-13 01:22) 

Lionbass

ちんくろ2級さま
某社の関係者はあの丸い物体(?)を思い浮かべますよね…。(笑)
by Lionbass (2012-06-17 10:01) 

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