「ピアノ協奏曲の誕生」「ブラック企業」=最近読んだ本(2013.02) [読書]
▼読み終わった本
*「ピアノ協奏曲の誕生」
小岩信治・著、春秋社
今度ベートーヴェンのピアノ協奏曲3番を指揮することもあり、勉強と思って買いましたが、とても面白い本でした。
モーツァルトに始まり、チャイコフスキー・ラフマニノフまで、18世紀末から20世紀初頭までのピアノ協奏曲の歴史を、楽器の性能やオーケストラを取り巻く情勢、オーケストラの編成、オケと独奏の対峙、曲の形式など、さまざまな観点から興味深い考察が繰り広げられていて、(常套句で恐縮ですが)まさに「目からウロコ」でした。
"Tutti"と"Solo"が、「単に独奏が弾く部分」と「オケだけの部分」ではない、ということも『証拠』を挙げて説明されていて、「なるほど」という感じ。
また、ショパンくらいまでの協奏曲はほぼ例外なく「室内楽版」が存在していたというのも、参考になりました。
▼読み終わった本
*「明治洋食事始め―とんかつの誕生」
岡田哲・著、講談社学術文庫
これもとても面白い本でした。
幕末に西洋(欧米)の食事に接し、肉食(主に牛肉)を始める一方、食べる習慣のなかったパンと格闘した日本人が、いかに「とんかつ」や「あんぱん」を生み出すか、とても分かりやすく説明しています。
当時の日本人が、体格的に欧米人に劣っていて、これを克服するために肉食が奨励されたことや、イースト(酵母)が手に入らない中、試行錯誤してついに「あんぱん」を発明するに至る話など、物語がいっぱいでした。
▼読み終わった本
*「ブラック企業―日本を食いつぶす妖怪」
今野晴貴・著、文春新書
今話題というか問題になっている「ブラック企業」についての本。
ウェザーニューズなどいくつかの企業が実名で登場するほか、明らかに某世界的衣料品メーカーと思われる「X社」も出てきます。
一部の特異な事例ではなく、多くの企業に広がっているとしたら、何か共通の理由があるのでしょう。
「新卒」で採用した若者がどんどんうつ病になって辞めていくというのは、確かに異常な事態で、改善できるものならしてほしいと思うのですが、実際にはそんな単純なものではないのでしょう。
折しも、ユニクロの労働環境について、経済誌が特集したり、ネット上で議論が巻き起こったりしていますが、なかなか噛み合ないようで、難しい問題だなと思います。
(読書記録は今年から、1ヵ月単位でまとめて、読み終わった主な本だけ紹介することにしました。)
*「ピアノ協奏曲の誕生」
小岩信治・著、春秋社
今度ベートーヴェンのピアノ協奏曲3番を指揮することもあり、勉強と思って買いましたが、とても面白い本でした。
モーツァルトに始まり、チャイコフスキー・ラフマニノフまで、18世紀末から20世紀初頭までのピアノ協奏曲の歴史を、楽器の性能やオーケストラを取り巻く情勢、オーケストラの編成、オケと独奏の対峙、曲の形式など、さまざまな観点から興味深い考察が繰り広げられていて、(常套句で恐縮ですが)まさに「目からウロコ」でした。
"Tutti"と"Solo"が、「単に独奏が弾く部分」と「オケだけの部分」ではない、ということも『証拠』を挙げて説明されていて、「なるほど」という感じ。
また、ショパンくらいまでの協奏曲はほぼ例外なく「室内楽版」が存在していたというのも、参考になりました。
▼読み終わった本
*「明治洋食事始め―とんかつの誕生」
岡田哲・著、講談社学術文庫
これもとても面白い本でした。
幕末に西洋(欧米)の食事に接し、肉食(主に牛肉)を始める一方、食べる習慣のなかったパンと格闘した日本人が、いかに「とんかつ」や「あんぱん」を生み出すか、とても分かりやすく説明しています。
当時の日本人が、体格的に欧米人に劣っていて、これを克服するために肉食が奨励されたことや、イースト(酵母)が手に入らない中、試行錯誤してついに「あんぱん」を発明するに至る話など、物語がいっぱいでした。
▼読み終わった本
*「ブラック企業―日本を食いつぶす妖怪」
今野晴貴・著、文春新書
今話題というか問題になっている「ブラック企業」についての本。
ウェザーニューズなどいくつかの企業が実名で登場するほか、明らかに某世界的衣料品メーカーと思われる「X社」も出てきます。
一部の特異な事例ではなく、多くの企業に広がっているとしたら、何か共通の理由があるのでしょう。
「新卒」で採用した若者がどんどんうつ病になって辞めていくというのは、確かに異常な事態で、改善できるものならしてほしいと思うのですが、実際にはそんな単純なものではないのでしょう。
折しも、ユニクロの労働環境について、経済誌が特集したり、ネット上で議論が巻き起こったりしていますが、なかなか噛み合ないようで、難しい問題だなと思います。
(読書記録は今年から、1ヵ月単位でまとめて、読み終わった主な本だけ紹介することにしました。)
会社は外から見える姿と中で働いて見える姿と大きく違うところが多いですからねえ。
理想(と思っていた)の会社で働き始めて、「こんなはずじゃなかった!」なんて思う人は、多くいると思います。
by YAP (2013-03-07 08:10)
ウェザーニューズもそういわれているとは!
中小企業になるとさらにそういうところは多いと思います。
よく雇用のミスマッチなんて言葉を聞きますが、ミスマッチというよりは、労働基準法どころか、人権も無視した使い方をしている会社も多いのでは・・・
低価格は、労働者の低賃金や労働環境の悪さの犠牲の上に成り立っていると実感したことがあるもので。
by ぬれぴよこ (2013-03-12 22:18)
YAPさま
「社員は家族」という考え方は古いんですかね。
従業員は「財産」ではなく「コスト」だったりするようですし…。
私自身は転職して、まあまあ悪くない会社かなと思ってます。
by Lionbass (2013-03-14 13:35)
ぬれぴよこさま
会社の知名度だけで判断してはいけないということですね。
私がいる業界も労働環境が悪いと思われているようですが…。
by Lionbass (2013-03-14 13:49)