「名曲の『常識』『非常識』」「音楽の現代史」「小澤征爾 指揮者を語る」「命の格差は止められるか」「ズルい言葉」=読み終わった本(2014.04) [読書]
「読み終わった本」リスト(忘備録)、2014年04月分です。
音楽に関する本をたくさん読みました。
▼読み終わった本
*「名曲の『常識』『非常識』 オーケストラのなかの管楽器考現学」
佐伯茂樹・著、音楽之友社
筆者はトロンボーンが専門とのことですが、管楽器についての造詣が深く、いろんなところに文章を発表しているとのこと。
この本は、副題にある通りオーケストラの中の管楽器の扱いについて、豊富な知識・見識に基づいて論じています。
カバーの袖には以下のような紹介文が掲載されています。
**************************************************
天下の暴論か、はたまた画期的な新発見か?
モーツァルト《魔笛》、ベートーヴェン《第9》からラヴェル《ボレロ》、レスピーギ《ローマの祭》など、オーケストラの名曲には、間違った「常識」のまま演奏されている曲がある?
当時作曲家が考えていた音のイメージを研究してみると、もしかするとこれまでの常識は「非常識」なのか?
楽譜やさまざまな資料をもとに大胆な推論を展開する!
**************************************************
まさにこの通りの、類書を見ない本でした。
勉強になります。
▼読み終わった本
*「音楽の現代史 —世紀末から戦後へ—」
諸井誠・著、岩波新書
1986年の発行ということで、もう30年近く前の本ということになります。
なので、副題にある「世紀末」は20世紀末ではなく、19世紀末です。
第1章のドビュッシー、マーラー、リヒャルト・シュトラウスに始まり、第2章でストラヴィンスキーとバルトーク、第3章は第一次大戦前後、第4章は戦間期(両大戦間)のオペラ、第5章は1930年代のヴァイオリン協奏曲、結びは第二次大戦以降のショスタコーヴィチ、プロコフィエフ、ウェーベルン、メシアン、ブーレーズ、ヴァレーズ、サティなどについて言及しています。
30年経っても実はあまり取り上げるべき作曲家が増えていないような気もするのですが、それが「クラシック音楽」の限界なのかもしれません。
▼読み終わった本
*「音楽史のすすめ」
寺西春雄・著、音楽之友社・音楽選書
これも「音楽史」の本。
上記の諸井誠氏の本よりさらに古く1983年の発行です。
上記の本とは違って、人類史における音楽の始まりから説き起こし、教会音楽やルネッサンス、フランドル楽派に言及。
その後は、おなじみのバロック、古典派、ロマン派、「現代の音楽」と進んで行きます。
基礎的な勉強にはうってつけの本でした。
▼読み終わった本
*「小澤征爾 指揮者を語る」
有働由美子(聞き手)、100年インタビュー制作班・編、PHP「100年インタビュー」シリーズ
NHKの番組「100年インタビュー」を書き起こした本。
番組自体は2009年に放送されていますが、本は2012年の発行です。
小澤氏がウィーン国立歌劇場の音楽監督の座にあった当時の話が中心ですが、サイトウ・キネン・オーケストラの話や「指揮者とは」という章も。
小澤氏の経歴については、いろんな本が出ていますし、テレビ番組でも何度も取り上げられていますが、この本は活字が大きいこともあって、あっという間に読み終わりました。
▼読み終わった本
*「命の格差は止められるか: ハーバード日本人教授の、世界が注目する授業」
イチロー・カワチ著、小学館101新書
帯には以下のような紹介文が載っています。
**************************************************
命の長さは運ではない——
資本主義社会で必ず生じる格差。
それは貧困層の命にまず打撃を与え、勝ち組の寿命も引き下げる
健康の改善を個人の努力だけに追い求めるのではなく、
社会の仕組みを変えることが必要です
パブリックヘルスによる
新時代の健康格差論
**************************************************
著者は日本生まれでその後、親に伴われて移住し、現在は米・ハーバード大学の公衆衛生大学院社会行動科学部学部長・教授を務めているそうです。
私はエジプトと中国に住んでいたことがあるので、個人の努力ではどうしようもない寿命や生活水準の格差があることは、実体験して肌で感じているつもりです。
この本は、とても重要なことを指摘しているように感じました。
▼読み終わった本
*「ズルい言葉」
酒井順子・著、ハルキ文庫(角川春樹事務所)
「負け犬の遠吠え」などで知られる著者の「言葉」に関するエッセイ集。
雑誌などに掲載したものをまとめ、その後文庫化したものです。
「時代」の背景などを考えながら、「定番化」している言葉の意味や「ウラ」について、独特の視点で読み解いています。
カバーの裏表紙側に紹介されている言葉を挙げると「ある意味」「蟹を食べる時って、みんな無口になるよね」「どこか懐かしい」「普通」「もしアレだったら」…などなど。
特に職業として文章を書いている人は「定型文」「紋切り型」の言葉に気をつけた方がいいと教えられますが、その「裏」までも考察していて面白いと思いました。
(「ニヤリとさせられました」という紋切り型の感想を書くところでした…。)
▼読み終わった本
*「世界一周航空券 Perfect Book 2013-2014」
世界一周堂・編、朝日新聞出版
このブログの読者の方はお分かりのように、小生、旅行も趣味の一つで、毎年1回は海外に出かけています。
残念ながら「世界一周」はしたことないのですが、「一度は行ってみたい」あこがれです。
この本は、まあネットにも情報をアップしている専門の旅行代理店の手になるものですが、世界各地の観光地の写真などもあり、旅行気分が盛り上がること間違いありません。
▼読み終わった本
*「伊勢丹な人々」
川島蓉子・編、日経ビジネス人文庫
2005年に発行された本を08年に文庫化したもの。
古書店で購入しました。
ビジネス・流通業界について興味のある人、勉強したい人が読むのだと思いますが、読み物としても興味深い本でした。
最近、通勤が新宿経由ではないこともあり、伊勢丹であまり買い物してませんが、以前はよく立ち寄ってました。
デパートはどこも同じような気もしますが、ファッションなどの分野では、やはり伊勢丹が存在感を示しているわけで、この本を読むことによって、その理由の一端が分かったように思います。
▼読み終わった本
*「日本を救うC層の研究」
適菜収・編、講談社
この著者の「B層」についての本は読んだので、この本も買ってみました。
引き続き「B層」が日本をダメにした、というのが論旨の中心。
「保守とはなにか?」「三島由紀夫の警告」「なぜ政治はここまで腐ったのか?」「なぜプロの仕事が尊重されなくなったのか?」「C層の研究」「伝統となにか?」という章立てになっています。
「政治」の章では、「日本維新の会」を特に激しく攻撃しています。
もちろん民主党についても…。
タイトルでは「C層」が日本を救う、となっていますが、それは容易ではないように感じました。
音楽に関する本をたくさん読みました。
▼読み終わった本
*「名曲の『常識』『非常識』 オーケストラのなかの管楽器考現学」
佐伯茂樹・著、音楽之友社
筆者はトロンボーンが専門とのことですが、管楽器についての造詣が深く、いろんなところに文章を発表しているとのこと。
この本は、副題にある通りオーケストラの中の管楽器の扱いについて、豊富な知識・見識に基づいて論じています。
カバーの袖には以下のような紹介文が掲載されています。
**************************************************
天下の暴論か、はたまた画期的な新発見か?
モーツァルト《魔笛》、ベートーヴェン《第9》からラヴェル《ボレロ》、レスピーギ《ローマの祭》など、オーケストラの名曲には、間違った「常識」のまま演奏されている曲がある?
当時作曲家が考えていた音のイメージを研究してみると、もしかするとこれまでの常識は「非常識」なのか?
楽譜やさまざまな資料をもとに大胆な推論を展開する!
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まさにこの通りの、類書を見ない本でした。
勉強になります。
▼読み終わった本
*「音楽の現代史 —世紀末から戦後へ—」
諸井誠・著、岩波新書
1986年の発行ということで、もう30年近く前の本ということになります。
なので、副題にある「世紀末」は20世紀末ではなく、19世紀末です。
第1章のドビュッシー、マーラー、リヒャルト・シュトラウスに始まり、第2章でストラヴィンスキーとバルトーク、第3章は第一次大戦前後、第4章は戦間期(両大戦間)のオペラ、第5章は1930年代のヴァイオリン協奏曲、結びは第二次大戦以降のショスタコーヴィチ、プロコフィエフ、ウェーベルン、メシアン、ブーレーズ、ヴァレーズ、サティなどについて言及しています。
30年経っても実はあまり取り上げるべき作曲家が増えていないような気もするのですが、それが「クラシック音楽」の限界なのかもしれません。
▼読み終わった本
*「音楽史のすすめ」
寺西春雄・著、音楽之友社・音楽選書
これも「音楽史」の本。
上記の諸井誠氏の本よりさらに古く1983年の発行です。
上記の本とは違って、人類史における音楽の始まりから説き起こし、教会音楽やルネッサンス、フランドル楽派に言及。
その後は、おなじみのバロック、古典派、ロマン派、「現代の音楽」と進んで行きます。
基礎的な勉強にはうってつけの本でした。
▼読み終わった本
*「小澤征爾 指揮者を語る」
有働由美子(聞き手)、100年インタビュー制作班・編、PHP「100年インタビュー」シリーズ
NHKの番組「100年インタビュー」を書き起こした本。
番組自体は2009年に放送されていますが、本は2012年の発行です。
小澤氏がウィーン国立歌劇場の音楽監督の座にあった当時の話が中心ですが、サイトウ・キネン・オーケストラの話や「指揮者とは」という章も。
小澤氏の経歴については、いろんな本が出ていますし、テレビ番組でも何度も取り上げられていますが、この本は活字が大きいこともあって、あっという間に読み終わりました。
▼読み終わった本
*「命の格差は止められるか: ハーバード日本人教授の、世界が注目する授業」
イチロー・カワチ著、小学館101新書
命の格差は止められるか: ハーバード日本人教授の、世界が注目する授業
- 作者: カワチ イチロー
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/07/31
- メディア: 単行本
帯には以下のような紹介文が載っています。
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命の長さは運ではない——
資本主義社会で必ず生じる格差。
それは貧困層の命にまず打撃を与え、勝ち組の寿命も引き下げる
健康の改善を個人の努力だけに追い求めるのではなく、
社会の仕組みを変えることが必要です
パブリックヘルスによる
新時代の健康格差論
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著者は日本生まれでその後、親に伴われて移住し、現在は米・ハーバード大学の公衆衛生大学院社会行動科学部学部長・教授を務めているそうです。
私はエジプトと中国に住んでいたことがあるので、個人の努力ではどうしようもない寿命や生活水準の格差があることは、実体験して肌で感じているつもりです。
この本は、とても重要なことを指摘しているように感じました。
▼読み終わった本
*「ズルい言葉」
酒井順子・著、ハルキ文庫(角川春樹事務所)
「負け犬の遠吠え」などで知られる著者の「言葉」に関するエッセイ集。
雑誌などに掲載したものをまとめ、その後文庫化したものです。
「時代」の背景などを考えながら、「定番化」している言葉の意味や「ウラ」について、独特の視点で読み解いています。
カバーの裏表紙側に紹介されている言葉を挙げると「ある意味」「蟹を食べる時って、みんな無口になるよね」「どこか懐かしい」「普通」「もしアレだったら」…などなど。
特に職業として文章を書いている人は「定型文」「紋切り型」の言葉に気をつけた方がいいと教えられますが、その「裏」までも考察していて面白いと思いました。
(「ニヤリとさせられました」という紋切り型の感想を書くところでした…。)
▼読み終わった本
*「世界一周航空券 Perfect Book 2013-2014」
世界一周堂・編、朝日新聞出版
世界一周航空券 Perfect Book 2013-2014
- 作者: 世界一周堂
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2012/11/20
- メディア: 単行本
このブログの読者の方はお分かりのように、小生、旅行も趣味の一つで、毎年1回は海外に出かけています。
残念ながら「世界一周」はしたことないのですが、「一度は行ってみたい」あこがれです。
この本は、まあネットにも情報をアップしている専門の旅行代理店の手になるものですが、世界各地の観光地の写真などもあり、旅行気分が盛り上がること間違いありません。
▼読み終わった本
*「伊勢丹な人々」
川島蓉子・編、日経ビジネス人文庫
2005年に発行された本を08年に文庫化したもの。
古書店で購入しました。
ビジネス・流通業界について興味のある人、勉強したい人が読むのだと思いますが、読み物としても興味深い本でした。
最近、通勤が新宿経由ではないこともあり、伊勢丹であまり買い物してませんが、以前はよく立ち寄ってました。
デパートはどこも同じような気もしますが、ファッションなどの分野では、やはり伊勢丹が存在感を示しているわけで、この本を読むことによって、その理由の一端が分かったように思います。
▼読み終わった本
*「日本を救うC層の研究」
適菜収・編、講談社
この著者の「B層」についての本は読んだので、この本も買ってみました。
引き続き「B層」が日本をダメにした、というのが論旨の中心。
「保守とはなにか?」「三島由紀夫の警告」「なぜ政治はここまで腐ったのか?」「なぜプロの仕事が尊重されなくなったのか?」「C層の研究」「伝統となにか?」という章立てになっています。
「政治」の章では、「日本維新の会」を特に激しく攻撃しています。
もちろん民主党についても…。
タイトルでは「C層」が日本を救う、となっていますが、それは容易ではないように感じました。
音楽は読むと面白いですね。
片っ端から図書館にリクエストします。
帰省中でもネットで予約できるって、素晴らしい!
by hanamura (2014-04-30 09:45)
私も世界一周には憧れます。
by YAP (2014-05-02 17:19)
hanamuraさま
コメントありがとうございます。
そういえば最近図書館に行ってません。
その代わりというわけでもないんですが、古書店で本を買うことが増えてるような気がします。
by Lionbass (2014-05-07 16:30)
YAPさま
仕事している間は、なかな世界一周する時間は取れないですね。
ということは定年後になってしまうんでしょうか…!?
by Lionbass (2014-05-07 16:32)