「時刻表タイムトラベル」 [読書]
▼読み終わった本
*「時刻表タイムトラベル」
所澤秀樹・著、ちくま新書
【カバー紹介文】
******************************
……時刻表とは、乗り物の時間を調べるものであって
その性格は辞書や電話帳、郵便番号帳などと同種といえる。
……かような機能的用約を持って世に生まれた時刻表が
たまたま捨てられずに残っていたとすると、
それは時を経れば経るほどに、
読み物としての魅力を醸成させていくものなのである。…………
******************************
【帯紹介】
******************************
いまは懐かしの新幹線の食堂車、上野発の夜行列車、多層階列車……
あの時、列車も若かった。
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お仕事・お勉強のための本が多かったので、久しぶりに『趣味』(笑)の本。
あっという間に(1日半で)読み終わりました。
昔の時刻表を題材にした本はほかにもあるような気もしますが、いつ読んでも楽しいものです。
まったく知らない時代の話よりは、自分も体験した列車が紹介されていると、その楽しみはさらに増すような気がしますし…。
ということで、この本では「列車編成」「食堂車」「戦前の鉄道」「多層建て列車と夜汽車」という4つの切り口で昔の時刻表を読み解いたうえ、最後に「南宮崎から稚内へ、夜行列車だけで辿る列島縦断珍道中」というルポが「附章」として収められています。
まず「『はしがき』に代えて」の中では、昭和49年(1974年)の時刻表の話が紹介されています。
山陽新幹線がまだ岡山までしか開通していない時代なのですが、その西側の山陽本線を走っていた特急・急行名が紹介されています。
その列車名とは以下の通り。
「雲仙」「あかつき」「彗星」「桜島」「高千穂」「金星」「きりしま」「日南」「西海」「明星」「月光」「天草」「阿蘇」「さくら」「壇の浦」「はやぶさ」「みずほ」「つくし」「音戸」「富士」「あさかぜ」「あきよし」「はやとも」「青島」「関門」「出島」「つばめ」「山陽」「はと」「しおじ」「玄海」「なは」「日向」「かもめ」「みどり」「屋久島」
驚かされるというか悲しくなるというか…。
(ちなみに現在、倉敷以西の山陽線を走る特急・急行は1本もありません。)
「列車編成の話」は、例えば「食堂車の連結位置はよく考えないと、優雅に食事している横を浴衣姿の団体が頻繁に通り抜けるはめに陥る」とか、「『宅配便』がなかった時代には鉄道による荷物輸送がその役割を果たしていて、『荷物車』が連結されていた」とか、「そうだ、そうだ」と思いながら読みました。
「食堂車」について言えば、私自身、学生時代、東京と長崎の間は寝台特急(「さくら」か「みずほ」)で行き来することが多かったので、食堂車にはよく行きました。
上りの場合だと、夕食は駅弁(鳥栖の「かしわめし」など)を食べ、朝食を静岡〜神奈川あたりの景色を見ながら食堂車で食べるのが定番でした。
おととしは、札幌から上野まで特急「北斗星」に乗ったので、食堂車で夜はビール、夜が明けてからは朝食と、2度お世話になりました。
「多層建て列車」の話も、昔を思い出しました。
長崎の場合、多くの列車が佐世保発着の列車と分割・併結をしてましたし、今も少しあるはずです。
『昔』だと上述の「さくら」のほか、急行「出島」と「弓張」とか、同「雲仙」と「西海」とか、寝台特急「あかつき」とか…。
それにしても、最後の「夜行列車珍道中」は2005年秋の話。
乗った列車は寝台特急「彗星」(南宮崎→京都)/同「日本海3号」(大阪→青森)/急行「はまなす」(青森→札幌)/特急「利尻」(札幌→稚内)という4本。
それからわずか6年半しかたっていないのに、現在も運行している列車は「はまなす」のみという状態。
乗る人が減っているとはいえ、寂しい限りです。
なんだか語り出すと止まらないので、この辺で…。
ご興味ある方は是非この本をお読みになってください。
いや~!ついたくさん書いてしまいました。<苦笑>
▽購入した本
*「図解・ボーイング787 vs. エアバスA380 新世代旅客機を徹底比較」
青木謙知・著、講談社ブルーバックス
*「時刻表タイムトラベル」
所澤秀樹・著、ちくま新書
【カバー紹介文】
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……時刻表とは、乗り物の時間を調べるものであって
その性格は辞書や電話帳、郵便番号帳などと同種といえる。
……かような機能的用約を持って世に生まれた時刻表が
たまたま捨てられずに残っていたとすると、
それは時を経れば経るほどに、
読み物としての魅力を醸成させていくものなのである。…………
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【帯紹介】
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いまは懐かしの新幹線の食堂車、上野発の夜行列車、多層階列車……
あの時、列車も若かった。
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お仕事・お勉強のための本が多かったので、久しぶりに『趣味』(笑)の本。
あっという間に(1日半で)読み終わりました。
昔の時刻表を題材にした本はほかにもあるような気もしますが、いつ読んでも楽しいものです。
まったく知らない時代の話よりは、自分も体験した列車が紹介されていると、その楽しみはさらに増すような気がしますし…。
ということで、この本では「列車編成」「食堂車」「戦前の鉄道」「多層建て列車と夜汽車」という4つの切り口で昔の時刻表を読み解いたうえ、最後に「南宮崎から稚内へ、夜行列車だけで辿る列島縦断珍道中」というルポが「附章」として収められています。
まず「『はしがき』に代えて」の中では、昭和49年(1974年)の時刻表の話が紹介されています。
山陽新幹線がまだ岡山までしか開通していない時代なのですが、その西側の山陽本線を走っていた特急・急行名が紹介されています。
その列車名とは以下の通り。
「雲仙」「あかつき」「彗星」「桜島」「高千穂」「金星」「きりしま」「日南」「西海」「明星」「月光」「天草」「阿蘇」「さくら」「壇の浦」「はやぶさ」「みずほ」「つくし」「音戸」「富士」「あさかぜ」「あきよし」「はやとも」「青島」「関門」「出島」「つばめ」「山陽」「はと」「しおじ」「玄海」「なは」「日向」「かもめ」「みどり」「屋久島」
驚かされるというか悲しくなるというか…。
(ちなみに現在、倉敷以西の山陽線を走る特急・急行は1本もありません。)
「列車編成の話」は、例えば「食堂車の連結位置はよく考えないと、優雅に食事している横を浴衣姿の団体が頻繁に通り抜けるはめに陥る」とか、「『宅配便』がなかった時代には鉄道による荷物輸送がその役割を果たしていて、『荷物車』が連結されていた」とか、「そうだ、そうだ」と思いながら読みました。
「食堂車」について言えば、私自身、学生時代、東京と長崎の間は寝台特急(「さくら」か「みずほ」)で行き来することが多かったので、食堂車にはよく行きました。
上りの場合だと、夕食は駅弁(鳥栖の「かしわめし」など)を食べ、朝食を静岡〜神奈川あたりの景色を見ながら食堂車で食べるのが定番でした。
おととしは、札幌から上野まで特急「北斗星」に乗ったので、食堂車で夜はビール、夜が明けてからは朝食と、2度お世話になりました。
「多層建て列車」の話も、昔を思い出しました。
長崎の場合、多くの列車が佐世保発着の列車と分割・併結をしてましたし、今も少しあるはずです。
『昔』だと上述の「さくら」のほか、急行「出島」と「弓張」とか、同「雲仙」と「西海」とか、寝台特急「あかつき」とか…。
それにしても、最後の「夜行列車珍道中」は2005年秋の話。
乗った列車は寝台特急「彗星」(南宮崎→京都)/同「日本海3号」(大阪→青森)/急行「はまなす」(青森→札幌)/特急「利尻」(札幌→稚内)という4本。
それからわずか6年半しかたっていないのに、現在も運行している列車は「はまなす」のみという状態。
乗る人が減っているとはいえ、寂しい限りです。
なんだか語り出すと止まらないので、この辺で…。
ご興味ある方は是非この本をお読みになってください。
いや~!ついたくさん書いてしまいました。<苦笑>
▽購入した本
*「図解・ボーイング787 vs. エアバスA380 新世代旅客機を徹底比較」
青木謙知・著、講談社ブルーバックス
図解・ボーイング787vs.エアバスA380 新世代旅客機を徹底比較 ()
- 作者: 青木 謙知
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/11/22
- メディア: 新書
食堂車ってなくなっちゃいましたよね。
昔は新幹線にもあったのに。
by YAP (2012-02-15 08:22)
面白そうな内容の本ですね〜。
先日、往年のブルトレ牽引機の展示会というものが行われ、
「さくら」、「富士」、「みずほ」、「あかつき」・・・など
時間帯によっていろいろなヘッドマークを掲出してくれるのですが、
そのほとんど・・・というか、全部と言っていいほど
過去の列車になってしまったのに、寂しさを感じました・・・。
by あおたけ (2012-02-15 08:59)
古い時刻表は処分してしまって、惜しいことをしたと悔やむ反面、残していても今の時刻表のやつれた中身が際立つだけかなとも思ったり…。
ちなみに私はJTB派です!
by サットン (2012-02-15 11:45)
熱のこもった記事には、鉄道に対するLionbassさんの愛を感じます。
by ちんくろ2級 (2012-02-15 17:10)
YAPさま
北斗星とかカシオペアの食堂車なんて、究極の贅沢みたいになってしまいましたね。
いつまで走ってくれるのか…。
by Lionbass (2012-02-21 22:31)
あおたけさま
ヘッドマークがずらっと並んだエントリー、拝見しました。
「乗れるときの乗っておけば良かった」と思いますよね。
去年11月に「日本海」とボーイング787を選択する事態があったのですが、「無理すれば両方乗れたかも」と今になって後悔しています。
by Lionbass (2012-02-21 22:38)
サットンさま
「今まで時刻表何十冊買ったんだろう」と思うんですが、全部撮っておくのは無理ですよね。
私は小型版を買うことが多くて、ずっとJTB派だったんですが、小型がなくなってしまったので、最近は仕方なく「弘済会(交通新聞社)版」を買ってます。
by Lionbass (2012-02-21 22:44)
ちんくろ2級さま
この熱意を仕事にも生かせたら・・・って感じですよね。(笑)
by Lionbass (2012-02-21 22:48)