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「TPP興国論」 [読書]

▼読み終わった本
*「TPP興国論」
松田学・著、KKロングセラーズ・ロング新書


TPP興国論

TPP興国論

  • 作者: 松田 学
  • 出版社/メーカー: ロングセラーズ
  • 発売日: 2012/02/24
  • メディア: 新書

【表紙カバー紹介文】
**************************

櫻井よしこさん推薦!
本書は広い視野に立ち、
強い日本を
抽き出すガイドである。
**************************

「元財務官僚の日本が強くなるシナリオ」という副題が付いています。

というわけで、著者の松田さんは大蔵省(のち財務省)にお勤めだった元高級官僚なのですが、既に退官して議員を目指して活動中。
実は大学オーケストラの同級生(チェロ弾き)です。

この本は、TPP(環太平洋経済連携協定)について、これまでに日本で起きている『反対論』の問題点を指摘して、これからの日本のあり方について考える本です。
ただし、著者が最初に断っているのは、「無条件に参加すべき」と主張するものではないということ。

ただ、政府の進め方が、詳細を明らかにせず、交渉の立場についてもあいまいなままきちんと説明しなことが、『反対派』の勢いを増すことに繋がっていることなどを、分かりやすく明らかにしています。

第三章「TPPで日本は滅びません」では、「農業」「医療」「金融、投資」「ヒト、その他」に分けて、反対論が的を射ていないことを指摘しています。

また、過去の(主に日本とアメリカの間の)「貿易摩擦」について、日本政府がどのように対応して来たのか、まさに交渉に携わった人間ならではの説得力で説明しています。

もちろん、現状や過去の経緯の説明だけでなく、「日本が今後取るべき道」についても、分かりやすく説いています。
「TPP反対」の本はたくさん出ているようですが、この松田さんの本も版を重ねているとのこと。

果たして、交渉の行方はどうなるのでしょうか?
そして「反対」「賛成」どちらの主張が正しいのでしょうか?
関心を持ってみていきたいと思います。

▽購入した本
*「日本の歴史をよみなおす」
網野善彦・著、ちくま学芸文庫


日本の歴史をよみなおす (全) (ちくま学芸文庫)

日本の歴史をよみなおす (全) (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 網野 善彦
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2005/07/06
  • メディア: 文庫



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コメント 4

YAP

肉にしても果物にしても、海外のものを受け入れるようになってから、余計に日本産のものの良さが際立つ例も多くあります。
この手の論争は、黒か白かの両極端に話が分かれますが、ものによってもっと柔軟に考えてもいいような気がします。
by YAP (2012-04-30 18:06) 

ぬれぴよこ

反対派、賛成派、それぞれの意見を聞くとどちらもそうかな~と思うとこもありますが、どちらかと言えば(日本が主張すべきことをキチンと主張した上で)、参加したほうがいいのかなと思ったりしています。結局は実際に始まってみないとどうなるかわかりませんけどね~(・_・;
by ぬれぴよこ (2012-05-04 23:17) 

Lionbass

YAPさま
なかなか「冷静な議論」というのを目にしませんよね。
1990年代に「コメ市場開放」の議論をした際も、「これで日本のコメは壊滅」みたいなことを言う人もいましたが…。
by Lionbass (2012-05-07 11:44) 

Lionbass

ぬれぴよこさま
まだ「交渉するかどうか」という段階ですし、「中身が確定していない」ものについて「参加の仕方」の議論をしているわけで、「始まってみないとわからない」のは当然ですよね。
「悪い点」とか「いい点」だけ取り上げて説明する人たちは、先に結論があるんでしょうが…。
by Lionbass (2012-05-07 11:48) 

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