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「人種とスポーツ」 [読書]

▼読み終わった本
*「人種とスポーツ 黒人は本当に『速く』『強い』のか」
川島浩平・著、中公新書


人種とスポーツ - 黒人は本当に「速く」「強い」のか

人種とスポーツ - 黒人は本当に「速く」「強い」のか

  • 作者: 川島 浩平
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2012/05/24
  • メディア: 新書

【帯紹介】
*****************************

身体能力の差は、「肌の色」によるのか——
陸上競技やボクシングなどで
圧倒的な力を持つように見える一方、
なぜ水泳では精彩を欠くのか。
歴史と科学の両面から真相を探る

******************************

ロンドン・オリンピック前後に購入していたのですが、9月になってやっと読破。
非常に面白くてためになる、なおかつとても考えさせられる本でした。

サブタイトルにある通り、「黒人」の身体能力について考察した本。
私も何となく「黒人は白人より身体能力が高いのではないか」という先入観を持っていましたが、考え直しました。

私はNBA(北米プロバスケットボール)の大ファンで、30年近く見ていますが、黒人の存在感は圧倒的です。
そして、この本のカバー袖や裏表紙側に載っているのは「オリンピックの陸上男子100m結晶でスタートラインに立った選手56人は、ここ30年すべて黒人」だとのこと。

こうしたことから、私だけではなく多くの人が、陸上競技など瞬発力を要求されるスポーツでは、黒人が白人より優れているとの印象を持っているのではないでしょうか。

しかし、この本によると、かつて(アメリカに奴隷制度があった時代)は、「黒人は身体能力に劣る」と思われていたそうです。
近年、野球(大リーグ)では黒人選手の割合が下がっていて、ラテンアメリカ系の選手が増えています。
そして、帯にあるように、同じく「瞬発能力」が必要だと思われる水泳(短距離)において、黒人選手は少数派です。

なぜ、一部の競技において、黒人のスポーツ選手が(少なくとも20世紀以降)存在感を持ってきたのか…。
それは、肉体的な理由によるのではなく、社会的な要因が大きいことが、この本を読むことによって分かりました。
これは、あまり身体的には差がないと思われる日本人と中国人、韓国人の間の関係にも言えるのかもしれません。

▽購入した本
*「百年前の日本語――書きことばが揺れた時代」
今野真二・著、岩波新書


百年前の日本語――書きことばが揺れた時代

百年前の日本語――書きことばが揺れた時代

  • 作者: 今野 真二
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2012/09/21
  • メディア: 新書

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コメント 4

YAP

おそらくは経済的理由があるんですよね。
シューズさえあれば走ることができる陸上競技と、専用の施設に行かなければならない水泳では、競技人口もその人たちの構成も大きく異なるのでしょう。
by YAP (2012-11-03 14:10) 

Lionbass

YAPさま
そう考えてみると、サッカーやバスケットも、ボールさえあればいろんな「テクニック」を身に着けることができますね。
野球もキャッチボール程度ならボールとグラブでOKですが…。
そういえば最近「三角ベース」なんてやるのでしょうか?
by Lionbass (2012-11-12 09:02) 

ちんくろ2級

僕も、運動能力には人種的な差があるのだろうと思っていました。でも大相撲の現状なんて見ていると、そうでないのが歴然ですよね。
by ちんくろ2級 (2012-11-24 12:22) 

Lionbass

ちんくろ2級さま
「ユダヤ人は頭がいい」とか「〜は音楽的才能がある」という『偏見』も根強いですね。
これも「人種」ではなく環境によるのだと思います。
by Lionbass (2012-11-27 18:46) 

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